ニューヨークのアートセラピスト 玲子さんが教えてくれる アートセラピーでココロ健やか

カップルでアートを使ってコミュニケーションしてみよう
一年間お付き合いいただいたこのアートセラピーのコーナーも今回で最終回になりました。
これまでは個人の内面的成長を促す作品作りが主でしたが、最終回の今回はカップルでアート作品を作って頂こうと思います。

お付き合いが長くても、紙一枚の上で共同で作品を作るということはあまりないのではないでしょうか?
恋愛関係になくても、お友達同士でも良いです。単純な作業の中でも、普段のコミュニケーションのパターンが良く出るものです。そのパターンを知ることにより、お互いが更に気分良くお付き合いできるきっかけになるでしょう。
用意するもの用意するもの
画用紙、 マーカー
パステル、 クレヨン
色鉛筆、 折り紙など、身近にあるもの
手順
一枚の画用紙の上にカップルのお二人で交互に絵を描いてみてください。その際に唯一のルールは、相手の書いた絵の上に上書きをしないと言うことだけです。あとはご自由に描いてみてください。予め、二人の間で何かを描こうという目標も持たなくて結構です。即興的に次に何が起こるのかを楽しみながら、作品作りを進めてください。

たとえば、Aさんが線を真横に一本描いたとします。Bさんがその線を地面と見なして、そこから垂直の線を延ばし、木やお花を描いてみることも一つの例です。また一つのオブジェクト(車など)を描いたらそれが走る道を描くなど、物語性を付けていってもいいですね。お二人の間で自由な発想で描いてみましょう。

作品例
1. 結婚を控えた30代のカップルが作られた作品例

作成に取り掛かる前に一言、「将来の家」を描こうとお二人で決められただけで、そのあとは一切何も具体的に話し合うことなく絵の上で十分にコミュニケートされ、お二人が結婚生活上必要なものやエンジョイされるだろうものが表現されました。以心伝心で分かり合っていることが良く出ていますね。

この作品で男性が描かれたのはスピーカー、鉢植え、ソファ、車、バーベキューグリル、ブランコ。女性はそれにまつわる物を続けて描かれてゆきました。ご近所さんと彼らの家も彼女が描きました。男性は一家の大黒柱を象徴するかのように、家庭に必要なものを関係の中で提供しています。もっと注意してみるとスピーカーは何を象徴しているでしょうか?スピーカーはカップルの関係の中での音響を象徴しています。より良く相手の言うことを聞きたいというシンボルであるかもしれませんし、また自分の言うことをもっと聞いて欲しい、というシンボルかもしれません。ソファはリラックスや親密さのシンボル、車は機動性を象徴するものかもしれません。こうして描いたものにはそれが象徴する何かの意味があるのでカップルのお二人でそれらの意味を模索されるとよりお互いを理解できるでしょう。

女性は男性の描かれたシンボルに具体的な生命を与えると言う形で応えて行かれました。女性は産むという性を持つので、その女性性がこう行った形で現れたケースです。この女性は二人の関係をより豊かにしていく役割を二人の間でお持ちのようです。

こうして作品を作っていく過程を、次の点に注意してお二人で振り返ってみてください。

相手が描いている最中に相手の描いているものを変えようとしたり、「こう描いたら?」と相手をコントロールしようとしなかったか。
相手の描いたものと関係性を持つものを続けて描いてみたか。
相手が描いている最中は静かに相手を尊重して待っていたか。

上記の点に注意してお二人の普段のコミュニケーションを振り返ってみてください。

2. お互いを良く知らない二人が自己紹介を兼ねて作った作品例

作品を作る前に双方の間でなんの目的も立てませんでした。全てが即興です。具体的なオブジェはありませんね。色と線の繋がりでコミュニケートしています。お互いがスペース全体を使って作品作りをしているので遠慮していないことが現れています。

一方(A)は最初色の塊を描くことを続けましたが、他方(B)がカーブのある線を描き続けると、Aも写真の右下のグレーの波線を描き、双方の間に波線の呼応というコミュニケーションが生まれました。それを受けてBはその波線を蛇の形に見立て、蛇の頭部に当たるところに蛇の目を二つ描いています。またAが細かい十字の模様を描くとBも同じように十字の模様を違う色でその間に埋めるようにして書いています。こうして一見混沌としてまとまりのないような作品にも双方の間に作品作りを通して繋がりが出来上がっています。

作品作りの前にAはBに対して、若干の猜疑心を持っていました。しかし、作品上でBがAを受け入れ尊重していることを感じ、作品終了後、AとBの間には心理的な距離感が縮まり、その後の関係が好転しています。

この作品作りのように、作成前と後でのお互いの気持ちの変化に目を向けてみるのも、コミュニケーションの大切な一つですね。好転していることに気が付いたら是非今後も何かを共同で作ってみるということを続けてみてはいかがでしょうか?二人の間が更に近くなります。

ご相談・ご質問のある方は ください。



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