1. 企業動向
(1)アップル
アップルのiチューンズは2007年の米国楽曲販売数で第2位となった。トップは、小売最大手ウォルマート・ストアーズ。米調査会社NPDグループが明らかにした。同社によると、米国で購入された楽曲に占めるダウンロード販売の割合は10%にまで達している。【2月27日】
iフォンの中国市場進出をめぐり、アップルが中国移動通信公司(China Mobile)と交渉しているという報道がなされたが、実際にはまだ始まっていないことが明らかになった。交渉は、第3世代(3G)対応のiフォンが出荷される今年後半になる見通しだ。中国移動通信は今年1月時点で、3億7500万人の加入者を抱える世界最大手。その中には、AT&Tとの通信接続機能が解除されて中国に密輸された約40万台にのぼる第1世代のiフォンが利用されているという。【3月3日】
アップルは、外部の開発者がiフォン向けアプリケーションやゲームを開発するための支援ソフト(SDI)の試験版を提供開始した。正規版の配布は今年の6月になる見込み。外部の力を利用してiフォンの魅力を高めるのが狙いだ。【3月6日】
アップルは、iフォンをマイクロソフトの企業向け電子メールおよびスケジューリング・システム「エクスチェンジ(Exchange)」に対応させる。ビジネス機能を拡張することで、企業での利用を増やしたい考えだ。これにともない、アップルは、データの同期化技術「アクティブシンク・ダイレクト・プッシュ(ActiveSync Direct Push)」のライセンスをマイクロソフトから取得した。アップルはまた、シスコシステムズのバーチャル・プライベート・ネットワーク(VPN)技術にもiフォンを対応させほか、企業のIT管理者がiフォンのセキュリティを設定したり、遠隔地からデータを消去できるようにする。【3月10日】
アップルが特許を侵害したとして、ザップメディア・サービシズが同社をテキサス州の地裁に提訴した。同社の訴えによると、ザップメディアは、ハードウェアに保存する楽曲データをプレーヤなどへ転送する技術を開発したが、アップルが同技術を「iチューンズ」や音楽プレーヤ「iポッド」に無断で使用したという。同社はアップルと交渉しようとしたが、断られたため提訴に踏み切ったという。【3月13日】
アップルは、楽曲の聴き放題サービスの提供でレコード会社大手と交渉中だ。実現すれば、一般消費者がiポッドやiフォンの購入時に上乗せ価格を支払ってサービスが利用できるようになる見込み。同様のサービスでは、ノキアが昨年末に、楽曲ダウンロードの無料期間を1年間とする契約を音楽大手ユニバーサル・ミュージック・グループと結んでいる。アップルは、レコード会社に支払う金額を端末1台当たり約20ドルで交渉しているが難航しているという。【3月19日】
(2)デル
マイケル・デル最高経営責任者(CEO)は、2007年第4四半期における日本を含むアジア・太平洋市場の製品販売数が前年同期比41%増となったのを踏まえて、同市場における今後の見通しが明るいことを明らかにした。特に、同市場におけるラップトップ販売数の伸びが同比70%増を記録し、期待をかけている。【3月19日】
(3)ヒューレット・パッカード(HP)
HPは、データセンターの消費電力や管理費用削減を狙った新サービス「HPデータセンター・トランスフォーメイション(HP Data Center Transformation)」を開始した。同サービスには、データセンターの設計、移行、各種サポート・サービスを提供する「HPデータ・コンソリデーション(HP Data Consolidation)」、仮想インフラ 設計「HPデータセンター仮想化(HP Data Center Virtualization)」、システムを分析してデータセンターの寿命延長を図る「HPインサイト・ダイナミクスVSE(HP Insight Dynamics-VSE)」などが含まれている。【3月18日】
(4)IBM
IBMは、高速通信網技術「グリーン・オプティカル・リンク(green optical link)」の開発に取り組んでいる。実現すれば、高精細(HD)映画を1秒足らずでダウンロードできるようになるという。同技術は、電子ではなく光子を用いることによって、毎秒8兆ビットのデータ転送を可能にする。一方、消費電力はわずか100ワットの電球1個分ほどだ。IBMは同技術の商用化に向けて「オプトカード(Optocard)」という回路を開発している。この回路を基にデータバスを構築すれば、高速の多重チャネルを実現できる。【3月3日】
IBMの研究部門は、大型のR&D(研究開発)計画に着手する。計画は、(1)半導体に代わる後継技術の開発(2)データ処理効率を高めたコンピュータの設計(3)ビジネス上の問題を数学アルゴリズムを使って解決する手法の開発(4)クラウド・コンピューティングのクラスター構築―の4つ研究課題に絞り込む。予算としては、向こう2〜3年で各課題に1億ドルをかけて、最終的には、各課題で最低10億ドルの売上高をあげるのが目標だ。同計画を率いるのは、2007年7月に研究部門責任者に就任したジョン・ケリー氏。IBMには現在、8つの研究所があり、計3200人の研究者が従事する。【3月4日】
IBMは、日立製作所と半導体の基礎研究を共同で行っていく。契約期間は2年間で、32ナノメートル以降の半導体の計測方法についての研究を進めていく。【3月11日】
IBMは統合通信(unified communications)分野の強化に向けて向こう3年間で10億ドルを投資する計画を明らかにした。現在、同分野の主力製品となっているのは、ロータス・セイムタイム(Lotus Sametime)。同社は年内に、同製品に統合テレフォニー(Unified Telephony)機能を追加し、様々な端末への電話転送や、状況に応じた電話処理設定を可能にする。一方、マイクロソフトは、セイムタイムの競合製品となる「オフィス・コミュニケーションズ・サーバ(Office Communications Server)」を導入したばかり。【3月12日】
(5)インテル
インテルが2007年3月に建設を発表した中国大連のウエハー工場に65ナノメートルの製造プロセスを導入するのを米政府が承認した。新工場への投資額は25億ドルで、稼働は2010年上半期を予定している。【2月26日】
インテルは、ネット接続機能を搭載した小型携帯機器や低価格ノート型パソコン(ラップトップ)向けの新プロセッサ「アトム」を年内に発売する。アトムは45ナノメートルの微細加工技術を採用し、処理速度の向上よりも小型・省電力化や低価格を優先して設計されている。一方、パソコン・メーカー各社は、アトムを搭載した格安のラップトップを、今年半ばにも市場投入する計画だ。価格は200〜300ドル程度で、およそ25機種以上が市場に登場する見込みだ。画面サイズはほとんどの機種で7〜10インチ。いくつかの機種はタブレットPCとしても使える。Wi-Fi接続機能は全機種で標準装備される。【3月4日】
インテルは、6個のコアを搭載したサーバ向けプロセッサ「ジーオン(Xeon)」の最新版「ダニングトン(Dunnington)」を2008年下半期に市場投入する。同社はまた、従来と設計が全くことなる最新チップ「ネハレム(Nehalem)」の製造を今年第4四半期から開始する予定だ。同プロセッサは、最大8個のコアが搭載可能で、将来的にはノート型パソコンからサーバまですべてのコンピュータに搭載する。ネハレムには、メモリー・チップからデータを高速で引き出せるメモリ・コントローラが追加される。さらに、インテルは12個のプロセッサ・コアを統合した「ララビー(Larrabee)」の開発を進めている。同プロセッサーは、画像処理向けに利用される見通し【3月18日】
インテルとマイクロソフトは、カリフォルニア大学バークレー校およびイリノイ大学アーバーナ・シャンペーン校の大学研究所に対して向こう5年間で総額2000万ドルを投じる計画を明らかにした。これらの研究所は、プログラミングが困難という次世代マルチコア・プロセッサ向けのツールを開発している。両社は、研究の産物である技術を自由に使える権利を取得する。【3月19日】
インテルは、発展途上国向けに設計した格安ノート型パソコン「クラスメイトPC」の次世代版を欧米の消費者向けにも発売する。販売価格は250〜350ドルになる見込み。クラスメイトPCは、すでにインドやメキシコで販売されている。米国内では、テキサスやオレゴン、カリフォルニアの学校ですでに試験的に使用されている。インテルは現在、第3世代版となるクラスメイト3の開発を進めている。【3月20日】
(6)マイクロソフト
マイクロソフトは、新サーバ向けOS「ウィンドウズ・サーバ2008」を発売した。最新OSは、1台のコンピュータ上で無数の独立したコンピュータ環境を設置できる仮想化技術に対応しているのが特徴だ。当面は、仮想化技術を試験版の形で製品と併せて提供するが、6ヵ月以内に完成版を出す予定。【2月29日】
マイクロソフトは、パソコン向けOS「ウィンドウズ・ビスタ」の単体販売価格を20〜48%の幅で値下げした。値下げは、ソフトのアップグレード・パッケージ「ビスタ・サービス・パック1」のリリースに合わせて世界70ヵ国で開始した。【2月29日】
マイクロソフトは、中小企業を対象にしたオンライン・アプリケーション・サービスの提供を開始した。利用できるアプリケーションには、電子メール用の「エクスチェンジ・サーバ2007」をはじめ、コンテンツ管理ツール「オフィス・シェアポイント・サーバ2007」、ウェブ会議システム「オフィス・ライブ・ミーティング」が含まれている。【3月3日】
マイクロソフトは、Xボックス360に外付けできるHD DVDプレーヤを49.95ドルという破格の値段で販売し始めた。東芝のHD DVD撤退方針を受けて、在庫処分を急いだ格好だ。HD DVDプレーヤは今後、新たに生産されることはない。さらに、既存の500種以上の映画作品は現在、格安価格で販売されている。東芝でも自社ブランドのHD DVD再生機を100ドル以下で販売し始めた。一方、マイクロソフトは、ソニーとXボックス360にブルーレイ(BD)ドライブを搭載することで協議中だ。関係筋によると、両社の協議内容には、内蔵ドライブも含まれているという。【2月26日、3月7日】
マイクロソフトは、パソコン向け仮想化技術を開発するキダロ(Kidaro)を買収する。キダロの技術は、企業のIT担当者らが仮想パソコン・サービスを提供したり、管理するのを可能にする。【3月13日】
マイクロソフトとヤフー双方の幹部が10日に買収提案に対して初の会合を持った。マイクロソフトが2月1日に買収を提案したものの、ヤフー側が評価額が低過ぎるとして買収案を拒否していた経緯がある。今回、両社幹部が会合をもったことで新たな進展がみられそうだ。会合では、具体的な交渉は行われず、マイクロソフト側の幹部による統合効果の説明が主体となった。次回の協議日程は未定。【3月14日】
マイクロソフトは、アドビ・システムズと閲覧ソフト「フラッシュ・ライト」の使用で契約した。マイクロソフトは、同ソフトをウィンドウズ・モバイル対応の携帯電話の動画再生ソフトとして利用していく。フラッシュは、ウェブサイト上で最も普及している動画再生ソフトの1つ。昨年にウィンドウズ・モバイルを搭載した携帯電話機は米国内で1100万台出荷された。【3月17日】
マイクロソフトは、オンライン広告戦略コンサルティング会社のラプト(Rapt)を買収した。買収金額は明らかにしていない。ラプトは、オンライン広告を提供する企業が広告価格を決定するのを独自のアルゴリズムを使ってサポートする。また、広告収入を増やすための広告事業の戦略的管理サービスも提供する。顧客企業には、ダウ・ジョーンズやMTVネットワークス、ネットワーク局などが名を連ねている。【3月17日】
(7)グーグル
グーグルは、クリーブランド・クリニックと提携し、医療記録のオンライン管理サービスに着手する。手始めに、同病院の患者1500〜1万人分の医療記録をウェブサイトにアップロードし、患者本人がグーグルのサービスを使って入手できるようにする。クリーブランド・クリニックはすでに、12万人に上る患者の記録をオンライン・サービス「マイチャート」を使って管理している。今後、グーグルを利用することによって、同クリニックでの治療を終えた後も、グーグルで迅速に情報を取り出せるようになる。【2月22日】
2008年1月における米ネット検索エンジン市場のシェアは、グーグルが58.5%(前月は58.4%)を確保して、トップの座を維持した。米調査会社コムスコアが発表した。次いで、ヤフーの22.2%(前月は22.9%)、マイクロソフトの9.8%(前月も同じ)だった。【2月22日】
グーグルは、ウェブサイトを簡単に作れる無料サービス「グーグル・ページ・クリエイター」の提供を開始した。会社内や学校のクラス内で簡単な情報共有方法を求めている人向けのサービスで、写真やカレンダー、ユーチューブの動画などを含むサイトの開設や更新を迅速かつ簡単に実行できるのが特徴だ。ウェブサイトは全て、グーグルのサーバ上で管理するため、どこからでもアクセスできる。【2月28日】
グーグルは、同サイトに掲載された米軍基地の画像を国防総省の要請を受けて削除した。同省は、テキサス州にあるフォート・サム・ヒューストン陸軍基地を撮影した画像で機密エリアを視認できることから、「潜在的な脅威」に当たると判断し、同社に要請した。【3月7日】
グーグルは、欧州委員会の承認を得たことで、オンライン広告大手のダブルクリックの買収手続きを完了した。オンライン広告市場における同社の勢力がさらに拡大するとみられている。【3月11日】
グーグルは、新広告管理サービス「アド・マネジャー」の無償提供を試験版で開始した。同サービスを利用すると、サイト運営者は広告ごとのクリック率や利益率を正確に把握できる。それにより、広告収入の最大化を狙った広告の配置が簡単に行える。また、グーグルのオンライン広告ネットワークからも広告を受けられる。他社が同様のサービスを有料で提供するなか、グーグルは無償提供で顧客層を広げていく。同サービスは、専用サイト(www.google.com/admanager/login/en_US/index.html)で登録できる。【3月14日】

2. パーソナル・コンピュータ、周辺機器とソフトウェア(OS)
(1) 仮想化技術を開発するVMウェア(VMware)は、仮想化ソフトウェア上で稼動するコンピュータのセキュリティ強化を目的にイニシアティブ「VMセーフ(VMsafe)」を発足した。これに伴い、同社は、シマンテックやIBMのインターネット・セキュリティ・システム部門をはじめとするセキュリティ技術開発企業と提携した。最近では、仮想化技術で使われているハイパーバイザー(hypervisor)の脆弱性につけ込む新たな攻撃方法が登場し、通信網に及ぶ影響が懸念されている。VMウェアは昨年9月、IBM研究者の指摘を受けてダイナミック・ホスト・コンフィギュレーション・プロトコール(DHCP= Dynamic Host Configuration Protocol)におけるセキュリティ問題3点を開示し、ソフトのアップデート版を配布していた。同社はまた、コンピュータ・メーカー大手各社と仮想化ソフトを同梱(プリインストール)することで合意に達した。提携したのは、HPほか、デル、富士通、シーメンス、IBM。同梱するのは、仮想化ソフト「ESX 3i」およびデータセンター向け仮想化管理ソフト「インフラストラクチャー3」の試用版。ESX 3iは、各社のサーバ・プラットフォーム向けに微調整が施されている。仮想化技術は、データセンターのように大量のサーバを使用する環境では大幅なコスト削減が見込める。【2月25日、27日】
(2) 車中で利用される電子機器製品市場の規模は、2008年に前年比13%増の128億ドルに達する見通しだ。米消費者家電協会(Consumer Electronics Association:CEA)が報告した。CEAがまとめた調査報告書によると、米国内で車を運転する人の38%が2009年までに何らかの車中向け電子製品を購入するとみられている。その中で最も人気があるのが遠隔地からエンジンをかけられる自動車スターター(15%)。次いで、埋め込み型ナビゲーション・システム(13%)、そして自動車アラーム(12%)。また、衛星ラジオやDVDプレーヤも需要増が見込まれている。また、CEAは、運転者が、複数の場所で使用可能な柔軟性の高い電子機器を求めていると分析している。【3月4日】
(3) 米映画製作会社大手ドリームワークス・アニメーション(DreamWorks Animation)は、今後もHD DVD規格だけで映画作品を出荷する方針を明らかにした。2007年夏に報じられたニュースによると、ドリームワークスは、HD DVD規格だけで映画DVDを出荷するという東芝陣営によるキャンペーンに合意している。このキャンペーンには、パラマウントも参加し、総額で1億5000万ドルを受け取ったもよう。この時の合意を遵守するというのが背景にあるようだ。一方、家電販売業界は、HD DVD機器の返品対応を進めている。例えば、電化製品大手サーキット・シティ・ストアーズは、HD DVDプレーヤを購入した消費者らがそれを返品できる期間を3倍の90日に延長した。返品手続きでは、商品券の形で応じる。また、同業者のベストバイは、他の製品と交換する「トレード・イン」の対象としたほか、50ドルの商品券を提供している。一方、インフォメーション・ウィーク誌の調べによると、ブルーレイ対応DVDプレーヤの平均販売価格が20〜50ドル値上がりしているという。【2月29日、3月4日、17日】
(4) ノート型パソコン(ラップトップ)の価格が低下したのを受けて、消費者のノート型パソコンに対する関心が高まっている。こうした中、小売店での販売に注力するHPやエイサー(Acer)といったパソコン・メーカーが販売台数を増やしている。数年前までラップトップの売り上げの7〜8割は企業顧客に占められていたが、現在ではその割合は5割程度まで縮小しているという。
調査会社ディスプレイ・リサーチによると、2007年第4四半期における世界のラップトップ市場は、HPが前年同期比42%増の660万台で首位となった。シェアは20.1%。次いでエイサーが525万台(同15.9%)で2位に、デルは464万台(14%)で3位に転落した。以下、東芝、レノボ、富士通シーメンス、ソニー、アスース、アップルの順となっている。また、米調査会社IDCも世界の各市場でラップトップが牽引役になっていると指摘している。同社の調べによると、2008年の世界パソコン出荷台数は、前年比12.8%増の3億2000万台に達するという見通しだ。また、売上高ベースでは、7.4%増の2800億ドルになると見積もっている。
一方、ラップトップの高性能化も進んでいる。例えば、エイサーは、高精細(HD)動画を再生でき、6つのスピーカーが付いた「ジェムストーン・ブルー」を発売する。価格は上位機種が1999ドル、低位機種が1699ドルで4月から米国で発売する予定だ。いずれもブルーレイ・ディスク・ドライブを搭載している。【3月6日、7日、11日、13日】
(5) HD DVDの敗退によって決着がついた次世代DVD規格に挑む企業が現れた。ロンドン拠点のニュー・ミディアム・エンタープライゼス(New Medium Enterprises)は、「HD VMD(versatile multilayer disc)」を発表した。同社によると画質はブルーレイと同じだが、コストが安いというのが売りだ。ブルーレイとの互換性はない。 HD VMD対応のプレーヤは、既存の標準DVDプレーヤで使われている赤色レーザー技術を使用してコストを抑えている。HD VMDプレーヤは向こう5週間以内にAmazon.comで販売される計画だ。価格は199ドルになる予定。【3月7日】
(6) イーストマン・コダック(Eastman Kodak)と新興企業のメムジェット(Memjet)はともに、これまでの業界の標準的なビジネスモデルと全く逆の方法でプリンタ製品を提供する。プリンタメーカーは通常、プリンタ機器を低価格で販売し、高価なインク・カートリッジで収益をあげている。これに対して、両社は、割高なプリンタと通常の半額のインク・カートリッジをインクジェット・プリンタ市場に投入する。プリンタの価格は市場平均より割高の数百ドルとなる見通しだ。年内に最初の製品が市場に投入される予定。【3月12日】

3.インターネットとメディア・ビジネス
(1) 2007年における米国オンライン広告市場の売上高が210億ドルを超えた。一方、市場の成長鈍化も表面化しつつある。オンライン広告業界団体、インタラクティブ広告協会(IAB=Interactive Advertising Bureau)が報告した。同団体の調べによると、2007年における米オンライン広告売上高は、前年比約25%増の212億ドルに達した。しかし、2006年は、前年比35%増を記録しており、若干の成長鈍化が見られる。【2月25日】
(2) アクー・インターナショナル(Akoo International)は、公共施設などに設置された大型テレビを利用する携帯電話向けサービス「エム・べニュー(m-Venue)」を開発した。サービスを利用すると、テレビ画面に音楽ビデオやスポーツ・クリップの一覧が表示される。後は、ユーザーが携帯電話のテキスト・メッセージ機能を使って好みのコンテンツをリクエストすると、携帯電話機に配信されるか、テレビ画面で再生できる。その代わりに携帯電話機には、電子クーポンや販促物が配信される仕組みだ。例えば、同社のシステムを利用するシカゴのレストランでは、顧客がテレビ画面に表示されるコンテンツの一覧リストから好みの番号をテキスト送信すると、携帯電話にリクエスト受信確認のメッセージが配信される。そのメッセージを提示すると前菜がどれでも1ドルで食べられるという仕組みだ。また、携帯電話利用者の位置を特定することで、利用者をその購買履歴と結び付けることもできるという。【2月26日】
(3) カリフォルニア州の医療組織であるパロマー・ポメラド・ヘルス(Palomar Pomerado Health)は、3D仮想世界「セカンドライフ(Second Life)」内にバーチャル病院「パロマー・メディカル・センター・ウェスト」を建設した。パロマー・ポメラドは、実際にも同州のエスコンディードに総床面積120万平方フィート、ベッド数600の施設を建設中だ。その一方で、セカンドライフを通じて実際の病院の機能を紹介していく。バーチャル病院の建設には、実際の病院に技術を納入するシスコシステムズが協力する。仮想病院の訪問者は、高精細(HD)ビデオとオーディオを駆使した受付係に迎えられる。病院内では、医療処置を可能とする手術室を公開する。また、訪問者は無線認証(RFID)タグを装着するという想定で、エレベーターによって目的の階や部屋まで案内される仕組み。実際の施設でも、RFIDを活用する予定だ。【2月28日】
(4) 広告配信ネットワークを提供するビデオエッグ(VideoEgg)は、広告の表示状況を管理する新しいプログラム「アドフレームズ(AdFrames)」を発表した。同プログラムでは露出回数に基づいて料金体系を決定する、従来の「インプレッション」に代わり、「エンゲージメント」(視聴者を引き付けること)に基づいて広告料金を設定できる。これまで、エンゲージメントは測定しにくいと考えられていた。これに対して、アドフレームズでは、ウェブサイト上でリッチ・メディアの広告が拡大表示されるように設定してあり、利用者が広告上にマウスを移動する(マウスオーバー)とビデオが開始される。このマウスオーバーが一定時間行われると広告を自発的に閲覧したと解釈する仕組みだ。マウスオーバーは、1回につき20セントから1ドルに換算される。【2月29日】
(5) ニューズ・コープとNBCユニバーサルの合弁事業でオンライン動画配信サービスを手がけるフールー(Hulu)が始動した。テレビ番組や映画を合法かつ無料で配信する最大の動画専門サイトとして注目を集めている。フールーは、今回の公式公開にあたって「ザ・オフィス」や「ザ・シンプソンズ」といった流行りの人気番組から過去の名作まで、250本以上のテレビ番組シリーズを提供する。そのほか、100本の長編映画や150本のテレビ番組から抜粋した短い動画クリップも提供していく。視聴者は、いくつかの広告から見たい広告を選べる仕組みだ。また、動画が始まる前に2分間の映画の予告編を見れば、番組途中の広告視聴が不要になる場合もある。【3月12日】
(6) 動画配信最大手ユーチューブ(Youtube.com)とデジタル・ビデオ録画(DVR)サービス大手ティーボ(TiVo)は、オンライン動画クリップの配信サービスで提携した。提携により、ティーボの利用者は、ユーチューブの動画クリップをティーボのメニューから選択してテレビ上で閲覧できるようになる。ただし、視聴するには、ティーボの最新セットトップ・ボックス(STB)「シリーズ3」とブロードバンド接続が必要になる。また、テレビ画面上で操作してユーチューブのアカウントにログインし、動画クリップを選び再生できる。また、RSSを利用して、ネット上から動画を自動的に収集できるようになる。【3月13日】
(7) タイム・ワーナー傘下のAOLは、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)大手ベボ(Bebo)を8億5000万ドルで買収する。買収によって、4000万人のベボ会員ほか、ネットワークを手中に収める。ベボは、英国やアイルランド、そしてニュージーランドでは最大手のSNSであり、米国でもマイスペースおよびフェイスブックに次いで3位に位置する。【3月14日】
(8) ソニー傘下のソニー・コンピュータエンタテインメント・アメリカ(SCEA)は、「プレイステーション3(PS3)」向け更新ソフトの新機能「BD-LIVE」を明らかにした。この更新ソフトをダウンロードして利用すれば、映画のボーナス映像や予告編などをダウンロードできるようになる。さらに、PS3に保存する写真データを携帯ゲーム機「プレイステーション・ポータブル(PSP)」に転送するのが容易になる。【3月21日】

4.電子商取引とITサービス
(1) オンライン競売大手eベイは、電子商取引技術開発会社のマークエクスチェンジと6年間にわたって争ってきた特許訴訟で和解し、終止符をうった。マークエクスチェンジは、競売参加者が入札過程を経ずにネット上で商品を即時購入できる技術の特許を所有しているにもかかわらず、eベイが無断で使用したとして同社を2001年9月に訴えた。その後、連邦最高裁まで訴訟が持ち込まれ、2006年の5月には審理差し戻しの命令が下っていた。こうした中、eベイがマークエクスチェンジの特許を購入することで和解が成立したという。金額については明らかにされていない。【2月29日】
(2) 中小企業の間で、業務用および法律関係といった重要書類をインターネット上に保存する傾向が強まっている。これに伴い、新興企業のサービスに対する需要も高まっている。これらの企業には、BPOマネージメント・サービシズ、クラウドワークス(Cloudworks)、ドクストック(Docstoc.com)などがある。【3月6日】
(3) 社員が、IT部門の助けを借りずに、仕事に必要なツールを自分で入手して問題を解決しようとする傾向が強まっている。インフォメーション・ウィーク誌は、一部の専門家がこうした傾向をITツール市場および企業IT環境の「消費者化(consumerization)」と呼んでいるとして取り上げている。具体的には、IT関連知識を持つ社員らが、必要なアプリケーションをウェブサイトからダウンロードして利用する。調査会社フォレスター・リサーチもこうした傾向を指摘し、「個人がIT(技術)導入を促す」と予測している。同社では同傾向を「技術人民主義(Technology Populism)」と呼んでいる。【3月10日】
(4) 最近では、米国の病院がネット・システムの導入を積極的に進めている。その中には、入院患者がベッドの上でオンライン・ショッピングを堪能できる環境もあるという。例えば、ゲットウェルネットワーク(GetWellNetwork)は50の病院にこうしたシステムを提供している。同社のサービスでは、患者が1日3ドルを払うと、コンピュータとネット接続を利用できる。同社はさらに、パクイン・グループ(Paquin Group)のシステムを利用して、オンライン小売チャンネルを試験的に提供している。患者は、退院後に必要な品物を購入したり、予約できる。米国では現在、およそ6000の病院がネット・システムをベッドの脇に設置しているという。【3月19日】

5.半導体とハードウェア技術
(1) 半導体メーカー大手テキサス・インスツルメンツ(TI)は、様々な携行型機器に搭載できる4種類の新しいプロセッサを発表した。対象となるのは、医療モニタや防犯カメラ、自動車分野などで音声や動画、センサー、無線通信を組み合わせた新製品を開発できるとして期待されている。新製品は、携帯電話高位機種向けプロセッサ・シリーズとしてすでに発表された「OMAP」に比べて性能が4倍も向上しているという。4種類の基本チップの発売は今年年第2四半期に予定している。その後、下半期にはさらなる3つが続く予定だ。【2月27日】
(2) 新興企業のメタRAM(MetaRAM)は、新しいサーバ用メモリ技術「DDR2 メタSDRAM(DDR2 MetaSDRAM)」を開発した。サーバのメモリ・コストを削減するとともにメモリ自体の容量を大幅に拡張できる。メタSDRAMはアドバンスド・マイクロ・デバイシズの「オプテロン(Opteron)」およびインテルの「ジーオン(Xeon)」搭載システム用に設計されている。このため、メタSDRAMを実装するためにシステム設計を変更する必要はない。新技術を搭載したサーバとワークステーションは、アプロ(Appro)やコルファックス・インターナショナル(Colfax International)、ラッカブル・システムズ(Rackable Systems)、そしてベラリ・システムズ(Verari Systems)から発売される予定。価格は、例えば、新技術を搭載した16コア・メモリ容量250ギガバイトの4プロセッサ・サーバで5万ドルからになる予定。【2月27日】
(3) 半導体製造機器メーカー大手アプライド・マテリアルズ(Applied Materials)は、ソーラー・パネル製造工場の機器整備を手がける企業から同社史上最高額となる総額19億ドルに上る注文を受けた。社名は非公開にされている。アプライド社が半導体工場以外への事業拡張を進めてきたが、その努力が実った形となった。発注した会社は米国外に本拠地を置く企業で、ソーラー・パネル製造工場に対し製造機器の供給や機器の取り付け、保証サービスを提供している。【3月5日】
(4) Linuxベースの携帯電話機を開発するオープンモコ(OpenMoko)は、電話機のプラスチック部品をデスクトップで製造できる3D印刷向けCADファイルを公開した。同設計ファイルはオープンソースとなっており、利用するメーカーは製造コストを大幅に引き下げることができる。オープンモコは、台湾の携帯電話メーカー、FICからGSM規格スマートフォン・プラットフォームの開発事業部門がスピンオフして誕生した。【3月5日】
6.その他(通信、政府・議会動向など)
(1) 米連通信委員会(FCC)は、テレビ放送の完全デジタル化に向けて各局へ要求していた移行宣伝の内容を修正する。当局はこれまで、テレビ局に対して、30秒間の移行宣伝を6時間に1度、さらに、移行日が近づくにつれて同コマーシャルの放送頻度を高くするよう求めていた。しかし、指定されている時間がプライム・タイム(日本のゴールデン・タイムに相当)に重なるため、業界から反発を受けていた。FCCが提示する新案に同意すると、テレビ局はデジタル放送への移行を告知する宣伝を週に最低16回流し、プライム・タイムには週4回放送することが義務づけられる。また、完全デジタル放送化までの残り日数をテレビ画面に表示する方法も盛り込まれる見通しだ。【2月22日】
(2) 連邦通信委員会(FCC)は、2007年7月にケーブルテレビ(CATV)のセットトップ・ボックス(STB)のセキュリティ機能を録画やチューニングといった一般機能と分離することを定め、消費者はサードパーティー製STBを自由に選べるようになっているが、ビジネス・ウィーク誌は、実際には、CATV業界の抵抗を受けて、市場がいまだに開放されていないのが現状であるとしている。まず、CATVサービスとの互換性が悪く、問題が発生しやすい。さらに、CATV業界団体のケーブル・ラボズが製品を承認するまでに時間がかかるため、メーカー側が製品の提供に消極的である。また、CATV会社らは、ケーブル・カードがソフト・ベースの技術「オープン・ケーブル・プラットフォーム」にすぐに取って代わられる点を強調している。このため、今からケーブル・カードを製造することによって採算が見込めないとメーカー側も考えているようだ。今後、現状を打開するには、FCCのさらなる介入が必要との見方も出ている。【2月28日】
(3) 第4世代移動通信技術「ロング・ターム・エボリューション(LTE=Long Term Evolution)」が台頭しつつある。その結果、高速無線通信技術のワイマックス(WiMAX)が今後、廃れる可能性が指摘されている。調査会社ABIリサーチ(ABI Research)が報告した。ワイマックスはベンチャー投資家や携帯電話会社の間で人気があるものの、普及するまでにはいたっていない。そこへ、世界の無線通信網の80%以上に普及したGSMの派生規格として登場したLTEが注目を集めるようになっている。さらに、携帯電話会社大手ベライゾン・ワイヤレスが同技術を選択したこともワイマックスに追い打ちをかけている。ワイマックスは、認定作業の遅れており、市場へ迅速に投入することが最重要課題となっている。【3月4日】
(4) 無線広帯域マルチメディア技術を開発するネクストウェイブ・ワイヤレス(NextWave Wireless)は、ワイマックス(WiMAX)事業者向けに、「802.16e」規格対応マルチキャスト放送プラットフォーム技術「MXtv」を開発した。事業者は周波数使用免許を新たに取得したり、通信機器に投資することなく、新規サービスを導入できる。たとえば、モバイルTVや双方向メディア・サービス、デジタル・オーディオといったマルチメディア・サービスの提供が可能になる。MXtvは、毎秒30フレーム表示のQVGAとWQVGA対応コンテンツに対応し、10メガヘルツ帯域で最大45のモバイルTVチャンネルを提供できる。
(5) 米連邦通信委員会(FCC)が執り行っていた高速無線通信網の構築に適した700メガヘルツ周波数帯の競売の中で、全米規模ネットワーク向けの「Cブロック」をベライゾン・ワイヤレスが落札した。同ブロックは業界で人気が集中していた帯域。使用する電波は到達距離が長く、厚い壁も貫通するため、携帯電話だけでなく、無線ブロードバンドのネットワーク構築にも最適とされていた。落札額は47億ドル。グーグルも同帯域に入札していたが、落札できなかった。なお、Cブロックの落札業者に対して他社の端末やソフトでも使えるように通信網を開放するよう義務づけている。このため、グーグルは、新たな通信網向けにサービスを提供することが可能になる。帯域の競売は数ブロックに分けて行われ、落札総額は米政府による周波数帯売却としては過去最高の196億ドルに達した。また、ベライゾンおよびAT&Tが主要都市向けのBブロックを落札している。【3月21日】 |