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Profile.
常盤 武彦
Takehiko Tokiwa
1965年神奈川県横浜市生まれ。慶応義塾大学を経て、89年にニューヨーク大学芸術学部写真専攻に留学。同校卒業後、ニューヨークを拠点にジャズ制作の最前線で、日米各レコード・レーベルのCDカバー、レコーディング、ライヴ、プロモーション写真の撮影を手がけている。また、日本の音楽誌、一般誌で撮影、寄稿をしている。過去の撮影、執筆の一部と、NYのジャズクラブのリンク集はウェブサイト
www.tokiwaphoto.comで、閲覧できる。

常盤武彦さん
ー それからNYUの写真学生を経て、現在に至るわけですね。
著書では、初めてアメリカに来てからの20年間で様々なジャズミュージシャンを撮影、
インタビューされていますが、印象に残っているミュージシャンとそのエピソードをお聞かせ下さい。

Pat Martinoやっぱり、パット・マルティーノですね。
有名なギタリストだったのですが、脳動脈瘤の手術で記憶がゼロになって、そこからカムバックした人です。

撮影が終わった後、彼と一緒に食事しながら雑談している時に「何か最近、忙しくてね〜」みたいな話になった時に彼が「何でキミは忙しいと感じるんだ?」と言われましてね。「私は1944年以来、Busyではあるけど一度もBusyと感じたことはない。なぜなら、常にクリエイトしているからだ。」と言われまして、「恐れ入りました」ってね(笑)。

それ以来、この言葉は僕の金言になってまして、彼の日本ツアー用の時に撮った写真のポスターがリビングにも飾ってあるんです。そして、どんなに小さな仕事でもクリエイト!クリエイト!と思いながら仕事に向かうんですよ。

MichaelBreckerあとは、マイケル・ブレッカー。
2年前に骨髄異形成症候群で倒れて、今年の1月に亡くなったんです。ビッグネームのミュージシャンが亡くなるのも非常に残念なんですけど、彼とは何度も現場でお会いしてましたし、数回自宅インタビューもしてましたから余計にショックでした。日本だと、スマップやドリカムの吉田美和さんのレコーディングにも参加してた人ですよ。あらゆる音楽にオープンマインドでいい人でね、写真を撮る時も「この前はここで撮ったから」と言って違うポイントを用意してくれる気遣いが素晴らしかったです。

今回もこの本のために取材をしましたので、生前に出版されたことを報告したら彼も
「よかったね」なんて言ってくれたんです。

ー 大御所にも撮影・インタビューされていますが、気をつけていることや
  困ったことなどはありましたか?

RingoStarrやっぱり、ビッグネームになると大変ですね。
これはお笑いだったんですけど、以前にリンゴ・スターを取材したことがあって、僕はフォトグラファーとして同行した時の話です。インタビュアーが音楽のデータバンクみたいな人でして、ビートルズのあるコンサートが催かれた年を曖昧に言うと、インタビュアーが「いいえ、それは○○年のはずです」と正確な年に訂正するやり取りがあって、仕舞にはリンゴはへそ曲げてしまってね。「これでおしまいだ!オレが終わりだって言ったら終わりなんだ」と言って帰っていきました。だから、写真を撮るのが必死でしたよ(笑)。ちなみにこの写真は怒りだす前のもの。

まぁ今となっては笑い話ですが、場の空気を読むことも気をつけています。
それから、もちろんアーティストの下調べも大事ですよね。既に何かに書いてあるような話ではなくて、より突っ込んだ内容を聞き出すようにするためにも仕込みは重要です。

ー 確かに、著書の「ジャズでめぐるニューヨーク」も初心者向けでありつつ、NYの音楽シーンについて濃い内容を知る事のできる一冊という印象を受けました。

刷り上がって改めて読んでみると、自分はいろんな瞬間に立ちあっていたんだなと思いました。日本で出ている本は50〜60年代の話が多いですし、現在のジャズはその延長線上でもありますけど、実際は70年代に一度、総決算がついていて、そこから始まる新しいジャズの流れがあるのですから。
自分が本を書くのであれば、今現在のシーンだと思い、90年代から現在に至るNYのジャズシーンをまとめたのがこの本なんです。

大学時代のバンド仲間がこの本を読んで「空白の90年代がこれで埋まった」と言っていましたね(笑)。「大学を卒業して就職してから忙しくて、音楽を聴いてる暇がなかった20代(90年代)にこんなことが起こっていたのか。」ってね。

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