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会社設立の基本ニューヨークの起業家に聞く弁護士に聞く
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ニューヨークには数多くの日本人起業家がいます。そんな先輩方に、起業したころのことを思い出していただきその当時の話や、これから起業を考えている人たちに向けたアドバイスなどを聞きます。

 
   
人材総合サービス インテレッセ インターナショナル社長
藤原昌人 さん

プロフィール
1957年12月5日、島根県生まれ、
岡山理科大学基礎理学科数学専攻卒業
在学中にドイツハイデルベルク大学留学
卒業後、株式会社テンポラリーセンター(現株式会社パソナ)入社。
同社在籍中に3回の海外駐在を経験し、1996年にニューヨークで起業。
趣味ゴルフ、水泳及び合唱(現在、New York Men’s Chior在籍)
ニューヨーク島根県人会副会長


起業したきっかけ
 
 パソナで働いていた時、私は駐在員として海外に3回派遣されました。1回目はドイツのデュッセルドルフ、2回目はドイツのフランクフルト、そして3回目がニューヨークです。ニューヨークに派遣された時は、ニューヨーク支店の業務フローの見直し、数字の見直し、会社の建て直しが任務でした。滞在は2年という短い期間でしたが、アメリカでビジネスをやってみてアメリカはとてもビジネスがやりやすい国だと感じました。日本やドイツのように規制が厳しくもなかったし、また人材ビジネスは何か特別な許認可も必要なかったので、スタートしやすいと体感しました。その上、その当時は(10年前)、アメリカでは日本より通信やシステムにかかるコストが安いという面でも有利だったと思います。

  このようにビジネスを立ち上げる条件が整っていた上に、もともと世界で何かをやりたいという思いもありました。また、私が立ち上げたのは38歳の時でしたが、40歳を目前にこのままの自分の人生のあり方に疑問を感じていた時でもありました。このままでいいのかと。

  私の世代は会社を信じて会社についていけばいいという団塊世代とは違います。サラリーマンであり続けることについて疑問もありましたし、国際間ビジネスで得た経験を生かして何かを作りたいという気持ちもだんだん強くなって、独立に踏み切りました。

  人材ビジネスを選んだ理由は、自分の経験を生かせるということと、日本の人材ビジネスは海外で成功した例がなかったので、何とか成功してやりたいというチャレンジ精神ですね。つまり、以前の会社でも達成したかった自己目標を具現化した訳です。

   
  設立は誰に頼んだか、設立費用
 
 会社の登記だけは弁護士に頼みました。パソナ時代に仕事でもお世話になっていた知人の弁護士がいたので、彼に頼んで友人価格で(笑)350ドルでやってもらいました。本当に登記のみでしたけどね。By laws(付属定款)は後から行政書士に頼んでやりました。

 その他の手続きは、自分ですべて調べながらやりました。その時は本当にがむしゃらにやっていた時ですから、今振り返ってみればではその期間の記憶がないほどです。

   
  会社の業種、形態
 
人材総合サービスで、C Corporation です。当時は、LLCという形態ができたばかりで、まだ仕組みが整っていませんでしたし、S Corporationは、条件的に無理でしたので他に選択がありませんでした。しかし今振り返ると、私の会社のような業種では信頼という面から考えて C Corporation にして正解でした。

   
  会社を設立してから、落ち着くまでにやったこと
 
 前の会社の悪いところを全部直しました(笑)。人材データベース並びにシステムの構築、お客様一人一人の要件の洗い出し、業務フロー作りなどです。

  実質的な仕事をやった後は、オフィスの環境作りを始めました。最初の3ヶ月は自宅で勤務し、その後オフィス探しを始めました。当時44th Street にあった「中川」というレストランの6階(の空き部屋)を自分で見つけ、ビルディングオーナーと直接交渉して借りました。

  オフィス家具は、ちょうど撤退する邦銀が増えている時期でしたので、そういう企業から処分される家具をもらえないかと思ったんです。案の定、余っている家具がありました。会社も小さかったし多くの家具は必要ありませんでしたが、セットでもらって、要らない分お客さんにあげました。こういう倉庫には絶対眠っている家具があるはずなので、家具を安く探すときに覚えておくと良いと思います。結局家具はただで譲ってもらい、郵送料として日通に5,000ドルを払いました。とても良い家具だったので今でも使っていますが、こんな家具を新品で買っていたらイス一つで2,000ドルはしますからね。余談ですが、邦銀は大変に高価なオフィス家具がそろっていたので助かりました(笑)。

  その後、従業員も公募で雇いました。最初の売上があがったのは設立後6ヶ月たってからでしたが、キャッシュフローやいろんな面で本当に落ち着いたといえるのは、1年半たった頃ですね。そのころは、正社員4人の年商2億の会社になっていました。

   
  苦労した点、やっておけばよかった点
 
 最初の1年間はやはり色々と辛かったですね。やることも多いですし、とにかく自分が仕事をしないと売り上げも上がらない。当時は寝ている時間以外は全部仕事でしたよ。多分寝ている間も仕事してましたね(笑)。

 あと特に苦労したのは人事面です。従業員が全員アメリカ人でしたから、ある程度の年数を勤めたらキャリアパスという名目でどんどん転職していくため管理職の人材が育たず、99年には会社崩壊寸前にまでいきました。やはり、日米のビジネスカルチャーの違い、意見の不一致などが大きかったですね。例えば、自分の目標はもともと全米展開でしたから、ニューヨークでうまくいったら次はロサンゼルスに拠点を作ろうとしました。しかしVPだったアメリカ人は、ニューヨークでせっかくうまくいっているのに、何でまたコストをかけて苦労して拠点を増やすのかと。ニューヨークだけでいいじゃないかと言うんですね。私には苦労してでもどんどん作り上げたいという思いがありましたが、そのVP(Vice President)は創立者ではありませんからそうは思わないんですよね。彼女にとってはキャッシュフローがいい方が重要なんです。そういう意見の不一致などの問題が次々と起こり、結局日本語・英語のバイリンガルが中心の社員構成になり、今日に至っています。

 やっておけばよかったこと、反省点を考えると、もっと人の話を聞いておけば良かったなあと思います。私は誰かが何かを言うと「そうじゃないでしょ」などとすぐ言っていました。しかし人にはそれぞれの目標がありその人の主張している理由があるのだから、どうしてそのように話しているのか分かろうと努力して聞くことが大事だと思います。もちろん起業するには、人の意見を聞くばかりでなく自分の目標がないといけませんが、それが強すぎると仲間ができませんね。

   
  これから起業する人へのアドバイス
 


 今日できることは今日やってしまうことですね。

  起業する上でまず大事なのは、ビジョンを作ってノートに書くこと。この時に、ビジョンや目標はできるだけ具体的に数字で表すことが大事です。次に、ノートを閉じてください。そして、そのビジョンの実現に向かって、ひたすらがむしゃらにこなしていくのです。ビジョンを一つずつ達成していくとまた新しいビジョンが生まれますから、この作業は終わることがありません。

  氷山は、表面に出ているのは10分の1くらいで残りは隠れていますよね。会社の経営も同じです。全体を10とすると、ビジョンを立てるのは1割,実行が9割なのです。
人生は短いと思った方がいい。実際に短いのです。だから、できることは明日に延ばさずに今日やってください。やるべきことはその時、その場所で無限に生まれてきます。

  また、事業は大きくなっていくに従い、一人では絶対にできなくなります。ビジョンや意識を共にする仲間を大切に増やしていくことと、一方で、社員の生活も充実させていく努力も忘れてはなりません。なぜなら、社員は生きるために当社の仕事を通じて私のビジョンに協力してくれているのですから。人への感謝を忘れてはならないことを痛感しています。

【2005年7月】

   
■会社情報
インテレッセ インターナショナル インク

住所: 501 Fifth Avenue, Suite 1404, New York NY 10017
TEL: 212-391-9111
設立: 1996年6月1日
全米10カ所(ニューヨーク、ワシントンDC,シンシナティー、アトランタ、シアトル、シリコンバレー、ロサンゼルス、オレンジカウンティー、サンディエゴ)の拠点と東京オフィスがある。
2005年度内に全米10カ所目となるヒューストンとドイツ・デュッセルドルフにヨーロッパオフィスを開設予定。2005年7月1日現在、総従業員数27名。
 

 

   

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