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語学学校「エンカレ」 社長
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ニューヨークには数多くの日本人起業家がいます。そんな先輩方に、起業したころのことを思い出していただきその当時の話や、これから起業を考えている人たちに向けたアドバイスなどを聞きます。

語学学校「エンカレ」 社長
後藤 宗明 さん

プロフィール
1995年 3月、早稲田大学政治経済学部卒業。在学中、代々木ゼミナールにて4年間のべ2000人以上の浪人生の進学指導、英語補習を担当。卒業後、富士銀行神田支店に入社し、上場企業からベンチャー企業まで約200社への財務アドバイス、ビジネス支援、および富裕層個人顧客の資産運用業務に携わり、3期連続MVP賞を受賞。
1998年6月、本部に転勤、個人顧客マーケティング、および人事教育研修事業を担当。2000年1月に同社を退職、翌月には人事コンサルティング会社、Corporate Pathfinder(現 ベリタスコンサルティング)の設立にFounderとして参加。2001年7月にはNY支店設立のため渡米。2002年3月に同社を退社し、6月に英語学校エンカレを設立、CEO(Chief Encouraging Officer)として活躍中。


起業したきっかけ
 
 私の祖父は二人とも会社経営者だったのです。子供の頃、祖父の家に行くと、いつも家の前までハイヤーで迎えが来ていたので「何でおじいちゃんは電車に乗らないの?」と聞いたことがありました。「それは、おじいちゃんが会社経営者だからだよ」と言われて漠然と経営者っていいなあと思っていました。また、大学時代のアルバイトで会社経営者の方に会う機会が多く、そのような背景から次第に自分もいつかは経営者になろうという意識が強まっていきました。

 就職活動する際に銀行を選択したのも、銀行員は社長と仕事をすることが多いから経営者になる「修行の道」だと思ったからです。営業、マーケティング、人事を経験し、毎日朝8時から午前2時、3時まで働き、週末も出社という生活をしていて、私も周囲も命を削りながら仕事をしているような労働環境でした。それに私は疑問を感じ始め、自分はやはりここから脱出して、自分の夢を追求したいと思うようになりました。当時の自分は銀行という大企業の中の「小さな歯車」でしたから、自分はやっぱり「大きな歯車」になりたいと思ったのです。その時にちょうど銀行が合併することになり、銀行を辞める決心が固まりました。

 時を同じくして、私が師匠と仰ぐ現在のベリタスコンサルティング の坂尾氏から、新しく設立する人事コンサルティングのベンチャー企業に参加しないかと知り合いを通じてお声かけを頂きました。会って話を伺った際、わずか15分程でしたが「自分はこの人と働くな」と運命を感じました。

 自分も含めて4人で起業したのですが、全てゼロからの立ち上げでしたから銀行時代とは違って何でもやらざるを得ません。インターネットのセッティングからトイレ掃除まで(笑)。この時の「何でも自分たちでやる」という経験がなかったら、こわくて自分で会社を作ることはできなかったかもしれません。

 また当時は「年功序列」「終身雇用」を廃してアメリカの人事制度を取り入れる動きが活発でしたので、アメリカとのビジネスが増えてきていました。英語の堪能な同僚が何度も日本とアメリカを往復していましたが、英語の話せなかった私は残念ながら担当できませんでした。しかし自分もいつかアメリカで働いてみたいと思うようになり、社長に「アメリカでビジネスをやるチャンスを下さい」と頼み、ついに2001年7月にアメリカ支社設立の可能性を探るために渡米することになりました。

 ところが、ご存知のように9月に同時多発テロが起きてしまい、アメリカに来てわずか2ヶ月で、私の米国滞在は難しい状況になりました。もちろん日本からはすぐ帰ってこいと言われたのですが、わずか2ヶ月で何もせずに帰ることに抵抗を感じ、3ヶ月間休職扱いにしてもらいました。

 その間色々と考えたのですが、やっぱり自分で起業しよう、と思ったのです。自分はもともとは40歳くらいで起業しようと漠然と計画していたのですが、アメリカに来てすぐにテロにあったことも自分の運命なのではないか、と。自信はありませんでしたが、せっかくアメリカに来たのだからここに残ろうと決心しました。

 ある日、ニューヨークの図書館でいろいろとビジネスプランを考えていたとき、TOEFLの勉強をしている一人の日本人女性を見かけました。どう見てもこの勉強法ではスコアは上がらないだろうな・・・と思い、思わず声をかけてしまいました。話を聞くと、その女性はニューヨークの語学学校に留学して英語を勉強していたのですが、既に14回もTOEFLを受けているのに、全く点数があがらないというのです。そして、NYの英語学校は役にたたないと。高いお金を払って現地の語学学校に行っているのに成果が出ず、わざわざ日本の教材をNYの本屋で1.5倍の値段で買って図書館で勉強しているというのです。その時「これだ!」と思いました。ニーズがあると思いましたし、またこの状況を救ってあげたい、という使命感もありました。「アメリカで何か夢を実現したい」と思って来てみたけれど、英語が壁になって立ち止まってしまっている人や、「やる気はあるのにやり方がわからない」という人たちのお手伝いができたらと思ったのです。

   
  設立は誰に頼んだか、設立費用
 
  自分のビザの申請とあわせて弁護士事務所に依頼しました。というのは、図書館で出会った女性のレッスンをすぐ試験的に開始していたので、設立上の手続きなど事務処理をやる時間が全くなかったのです。H1ビザ取得と会社の設立(C Corporation)も兼ねて4,000ドル程度でした。

   
  会社を設立してから、落ち着くまでにやったこと
 
 図書館で彼女に会ったのが2002年の2月4日で、2月の3週目には自宅で家庭教師のようなスタイルで試験的にレッスンを開始していました。私は富士銀行を退職した後、NYに3ヶ月間語学留学をしたのですが、その時にお世話になった語学学校の先生、Jasonに声をかけ、一緒にビジネスをやることにしました。彼とはずっと連絡を取り合っていたのですが、同時多発テロの後は英語講師の現場を外れてマネージメントに部署異動することになっていて、現場が好きな彼は迷っていました。そんな時に僕と再会し、じゃあ一緒にやろうということになったんです。

 最初は家庭教師のように自宅で教えていたのですが、図書館で出会った女性の成績が1ヶ月ですごい勢いであがったんですよね。それからあっという間に口コミで広がってどんどん生徒さんが増えていき、同年6月(レッスンを開始して4ヶ月後)には会社の設立手続きを完了させ正式にビジネスを開始しました。

 会社の形態にはしましたが、2002年いっぱいは私もJasonも無給でした。Jasonには家族がありましたし、このビジネスもどうなるか分からなかったので、彼には別の仕事もしてもらいました。そしてエンカレの仕事は、彼が自分のお金を投資して株主となるまでは無給でやるという約束にしました。

 ビジネスは順調に進み、口コミのおかげで生徒数もどんどん増えていき、9月(7ヶ月後)に42丁目と5thアベニューにあるオフィスを借りました。同時期に私はビザスタンプの取得で日本に帰らなければいけないことになり、私のいない間の講師をJason と従業員候補であったインターンに任せることにしました。ところが、日本にいる私にそのインターンに対する生徒さんからのクレームメールが何度も届きました。そこからは、坂を転げ落ちていくようでした。新規の生徒さんはすべてお断りせざるをえず、その時在籍していた生徒さんたちも一気にやめてしまい、全く収入が入らなくなりました。明らかに私の判断ミスでした。2003年の4月(1年1ヶ月目) には倒産の危機に直面し、オフィスもそのまま借り続けることができなくなり、サブリース先を探していました。ところが、いつもそうなのですが、苦しい時にがんばっていると必ずいいことがあるのです。その時たまたまビルのオーナーが、個人事務所を持ちたいからもし来週出て行くならリースを解約してやると言ってくれたのです。これはチャンスだと思って、何もかも捨てて1週間でオフィスを出て、再度自宅に戻りました。
 また最初からやり直しになったわけです。

 そこで、また新しく生徒さんを募集することにしました。それまではほとんど広告を出したことがなく、生徒さんはみんな口コミで来て頂いていましたが、初めて「NYジャピオン」(NYの無料情報誌)に広告を出しました。広告に加えて、口コミの生徒さんもまた戻ってきてくれて、生徒さんが増えてゆきました。

 2003年の7月(1年4ヶ月目)には教室数が足りなくなり困っていた時に、たまたま生徒さんからスペースが余っているから貸してくれるという話があり、2部屋を借りました。この時期には収益も確保して、ビジネスとして確立できた時期だといえると思います。

 ただ、その時はご好意で家賃を半分にして頂いていたので、本当の意味では会社として回っていたとはいえないかもしれません。結局その部屋は事情があって出なくてはいけないことになり、急遽今のオフィスに移りました。ですから、オフィスの家賃も正規の金額で払って本当の意味で会社形態として回ってきたといえるのは、現オフィスに移った2004年の7月(2年4ヶ月目)かもしれません。

   
  苦労した点、やっておけばよかった点
 
 基本的にポジティブ思考なので、ああしておけば良かったなあと振り返ることはないのですが(笑)、強いて言えば、もっとお金を貯めておけばよかったとか、ビザはレッスンを開始する前に申請をしておけば良かった、等でしょうか。

   
  これから起業する人へのアドバイス
 


 よく「会社経営に向いている人はどんな人ですか?」と聞かれることがあります。最近、若い人が会社を辞めて独立するケースが増えてきていますが、会社経営者に向いている資質って、私はないと思います。どうしても経営者というと、前向きでアウトゴーイングでいつもメッセージを発信しているような人というイメージがあり、そういう人でないとできないと思い込んでいる人も多いようです。しかし私はそうではないと思います。大切なことは、自分が苦手な分野を補ってくれる人が周りにいるかどうかです。役割分担がきちんとなされていれば、自分が全部こなす必要がないわけですから・・・。自分が話すことが苦手であれば、話すことが好きな人を部下に持てばよい訳です。ただ、「これを絶対に実現したい!という思い・信念」と「自分が代表者、という自覚」は必要です。あくまで、自分はNo2 (ナンバーツー)ではなく、自分が代表者なのです。その信念と自覚だけは持っていてほしいと思います。

   
  「エンカレの社長」として一言
 


 何か夢を持っていて、それを実現するために英語でつまづいている人、またやる気はあるけれどやり方が分からないという人には、是非エンカレに来て頂きたいですね。大事なことは、やる気があるかどうかだけです。エンカレは今までに英語学習に挫折してきた人にこそ、お役に立てる学校だと思います。英語学習でつまづいている方、いつでもご相談下さい。

社長ブログ :http://www.mune510.com/
社長へのお問合せ :mune@encare.us

【2005年8月】

   
■会社情報
encare, inc.(エンカレ)

住所: 12 East 41st street Suite 903, New York, NY 10017
TEL: 212-684-2527
設立: 2002年6月1日
 

 

   

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