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会社設立の基本ニューヨークの起業家に聞く弁護士に聞く
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ニューヨークには数多くの日本人起業家がいます。そんな先輩方に、起業したころのことを思い出していただきその当時の話や、これから起業を考えている人たちに向けたアドバイスなどを聞きます。

世界誠道空手道連盟総本部 会長
中村 忠 さん

プロフィール
1953年に空手を始め、極真会で最年少の黒帯に輝く。日本では武道家が初めてタイのキックボクサーを破るなどの伝説を作り、その名を広めていく。1966年に極真会からニューヨークに派遣されるが、10年後に脱会し、誠道塾をオープン。現在世界中に100以上にもなる道場の組織を築き上げ、来年は誠道塾30周年を迎える。


起業したきっかけ
 
 アメリカに来たのは1966年4月。来年の春で滞米40年になります。もともと所属していた極真会館から、初の海外派遣指導者としてアメリカに送られました。当時アメリカには個人的に認可されたアメリカ人たちが運営する道場がいくつかありましたが、横のつながりもなく個別の動きをしていたので、支部同士を連携させ、内容の充実や道場開設のお手伝いなどをして、北米や世界に本格的に普及させることが目的でした。

  最初の5年間はブルックリンのBAMの支部道場で指導し、5年後の1971年にマンハッタンの14丁目に極新空手の自分の道場も出しました。しかしこの頃は世界を回りながらなので、どうしても自分の道場は充実させられませんでした。また極真空手というのは強さが一番、勝ってなんぼ、勝たなければ意味がないという哲学です。北米の委員長としてその哲学を推進していくと、すぐに組み手をさせ、ケガや退出者も出る。空手はコワいというイメージができて、若くて強い人が会の中心になっていくんです。そんな中で私は、果たして本当に自分の人生を通じてこの極真をずっとやっていきたいのかという思いを抱くようになりました。

 そんな時、知り合いを通じて空手の個人レッスンの依頼がありました。中年のアメリカ人男性で、最初にお会いしたときは気づかなかったのですが、道場で会うと、実は正座ができず右手は肘から下はまっすぐ伸ばせないというハンディキャップの方だということが分かりました。その瞬間、目の前が真っ白になったような大きな衝撃を受けました。今まで教えてきた空手は強くなってチャンピオンを取るための方法でした。ハンディキャップの人を教えた経験もなかったので、何を教えよう、どう教えたらいいのかと・・・。そのレッスン自体は彼にも満足してもらって終わりましたが、これがきっかけで「自分のしてきたことはどういうことなのか、こういう方向で空手を教えていっていいのか」と今までも少しずつ自問自答をしていたことをまたさらに考えるようになりました。そして、「空手は日本のすばらしい文化だ。これを特定の人だけのものにしてはいけない」と思い至ったのです。

 彼との出会いが、誠道塾を作る結果になりました。「全ての人が安心して学べる武道文化」を広めようと。これが起業のきっかけです。1975年、日本で極真の第一回世界大会が開かれましたが、そこまでの10年を自分なりの仕事の区切りとして極真を脱会。翌1976年に、誰にでもできる安全な武道を教える誠道塾をオープンしました。

   
  会社の形態
 
  誠道をオープンした時に、「All States Global Karate-Do, Inc.」を立ち上げました。こちらは、Corporation です。「Seido Juku Benefit Foundation」は非営利団体で、寄付や障害者のための色々なプログラムをやるために作ったものです。
 しかし他の人に「Seido Karate」という名前を使ってほしくなかったので、2003年に「World Seido Karate-Do Inc.」を作りました。

   
  会社を設立してから今までにしてきたこと
 
 私が誠道を立ち上げた目的は、従来の「暴力的、粗野」といった空手のイメージを「文武両道の人間形成の道」に変えたいということです。「カラテ道」をどんな人でもきちんと学べるようにAll States Global Karate-Do, Inc.を設立しました。またSeido Juku Benefit Foundationでは、常に大会の収益を寄付していますし、ベネフィットプログラムに力を入れています。例えば目・耳の不自由な人や学習障害者、家庭内暴力で傷ついた子供にもクラスを設けて、空手を通して生きる力、人生の生きがいを与えたいと思っていますし、実際に全盲の女性が、今は空手なしには生きられないと言ってくれる。フランチャイズ展開など、ビジネスとしてもっと儲ける方法はあるでしょうが、こういうプログラムを通じてこそ、自分の空手を見つめることができるし教える側もエネルギーをもらうことができます。誠道の指導者にはベネフィットプログラムでの指導を必ず経験させています。

   
  アメリカでやる上で日本と違う点、苦労した点
 
 誠道を始めるとき、それまでの教え子もいたので日本で道場を開くことは考えもしませんでした。結果的にはアメリカの方がやりやすかったです。というのは、こちらの生徒は反応がはっきりしていて、好き嫌いがわかりやすい。「自分の空手はこうだ」とこちらからはっきり出すとフィードバックがきちんとくるので、日本よりむしろ参考になるのです。悪い時は改善できますし、いい時はそれでいいという確認にもなりました。

 苦労したことはあったかもしれませんが、本当に無我夢中、がむしゃらでやってきたので、大変だとは思いませんでした。またこれが自分の生き方だという信念がありましたから。銃で撃たれたり、中傷されたりしたこともありましたが、逆にそれが「冗談じゃないぞ」というバネになりました。

   
  世界にビジネス(誠道塾) が広がっていったポイント
 


 誠道はお金儲けが目的で始めたわけではなく、空手のイメージを変えたくて始めたものです。誠道はこの哲学に賛同してくれる人が集まって広がっています。世界の支部の支部長は私が直接教えた、本当に信頼できる誠道の哲学がしっかりと根付いている人ばかりです。会社でもどんな組織でも同じですが、やはり人と人との信頼関係が一番大事で、それが100% きっちりしていないと、一時的に組織が大きくなったとしても後で絶対ひずみが出て長続きしません。今でも誠道の各国支部の支部長は2年に1度は本部で稽古して、本部で得たものを自分の国、支部で生徒に伝えるようにしています。私が各支部を回るのではなく、年々変わっていく誠道を自分でキャッチアップするためです。

 また、どんな会社でも上に立つ人はできるだけ下の人と多くコミュニケーションを取って、常に同じ視線でものを見るべきです。そして「サラリーを払ってやっている」という意識ではなく、「やってくれてありがとう」という気持ちでいないとだめですね。

 私は生徒にも恵まれました。目の不自由な人のプログラムも生徒のアイデアから始まりましたし、耳の聞こえない人のプログラムも生徒の中に手話ができる人がいたから始められたことです。私と生徒たちとお互いにサポートしあってここまで来れたと思います。

   
  最後に一言
 


 誠道の基本は全ての人が安心して空手ができるような「安全重視」です。初心者の人には組み手をさせませんし、かならず防具をきちんとつけるように徹底しています。そして空手という素晴らしい文化を大きく広げていきたいです。

 将来の夢として、流派を超えた空手の世界大会をやりたいです。そして、それは健常者も障害者も、各国が一丸になって、競技と交流を楽しむ大会にしたい。パラリンピックというのは障害者だけのオリンピックですが、私はハンデを持っている人も、持っていない人も一緒にみんなが安心して競技ができるような、勝ち負けにこだわらず世界の人が一緒に絆が深まるような催し物をやりたいです。

 私はこれからも少しでも社会に貢献出来るよう指導に専念して参りますが、誰でも自分が何をやりたいかはっきりした信念を持つべきです。会社であっても、自分が何をやりたいのか、自分の生きる生き方として確固たるものを持たなければいけません。あっちにいったりこっちにいったりするのではなく、何をするのでも「忍耐と努力」が必要だと思います。

【2005年9月】

   
■会社情報
世界誠道空手道連盟総本部

住所: 61 West 23rd Street, New York, NY 10019
TEL: 212-924-0511
E-Mail: honbu@seido.com
道場電話連絡受付時間:
  月曜日〜金曜日 7:00 am - 9:00 pm 土曜日 10:00 am - 5:00 pm 日曜日 10:00 am - 2:00 pm
 

 

   

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