| アメリカは契約社会であり訴訟社会でもあるとはよく言われること。日本では比較的小さな事柄は口約束などで済ますこともありますが、アメリカではあらゆる事柄について同意書や契約書など、書面で残すという習慣があります。自分の権利は自分で守り、主張するという意識の高いアメリカでは、日本では考えられないような小さな事でも裁判所に訴えるというケースがとても多いので、その予防策としてあらかじめ問題が起こる前に書面での記録を残しておくのが一般的です。
例えば、病院で入院する際なども、手続書類には日本に比べてはるかに多い内容が記載されています。患者の知る権利、医師の説明の義務、本人に意識がなくなった時の意志決定者、入院中の約束事項、支払義務など細かな項目のすべてにサインを求められます。特に、治療方針を決定するのは医師ではなく、あくまでも患者本人であるということを強調されます。これはすべて、何か問題が発生した場合に医師の責任の範囲を明確にし、不利な責任を負う事が無いようにする防止策と言えます。
また、アパートなどの賃貸契約の時にもアメリカがいかに契約社会であるかを実感するでしょう。賃貸契約書には日本の契約書の何倍もの条項が書かれています。内容は細かく、例えば喫煙について、ペットについて、屋外アンテナについて、家賃支払義務について、セキュリティーデポジットから差し引くことの出来るものについてなどがあり、これを全て読み、内容把握し、きちんと納得した上で契約書にサインする必要があります。契約期間、契約の更新、終了などは日本の常識とかなり違いますので、注意して読む必要があります。適当に読んで適当にサインすることは避けましょう。もし、不明な点や納得できない点があればサインをする前にきちんと質問し明確にしておくことをお勧めします。
アメリカ人とビジネスをする場合も注意が必要です。つい相手を信用して物事をあやふやにしてしまい、被害に遇った時には何の法的証拠もない、といったケースもよくあります。このため、ビジネスの場でもアメリカでは多くの契約書を交わします。ほんのちょっとした公式文書でも弁護士に目を通してもらうのが常識になっています。したがって弁護士選びも重要です。能力のない弁護士に頼むと自分の不利益になったりミスをされたりして、後々困ることになります。あらかじめ評判の知れている、信頼できる弁護士を選ぶ方が良いでしょう。また、弁護士によって専門分野も違うので、その専門分野にあった弁護士選びをする必要もあります。 |