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アメリカのワインといえば、まずはカリフォルニアワインがあがる。
たしかに北米のワイン生産量はカリフォルニア州が断トツ1位。
しかし1位と大きく差が開いてはいるが、実はわれらがニューヨーク州も常に3位前後と健闘している。
ここのところ人気が高まっているニューヨーク産ワイン。まずは生産地の特徴を見てみよう。




アメリカではぶどうの栽培区域を政府が分類している。A.V.A.(American Viticultural Areas)といい、ぶどう産地を気候や土壌などの特性で分類し、ワインの特性を把握しやすくするための規定だ。AVAでは、ニューヨーク州のぶどう産地は大きくは4つ、更に地域で分けると8つが認定されている。
Long Island Region(ロングアイランド)

ニューヨークのワイン生産地の中では新興エリア。ぶどうの生育に適した気候から"ニューヨークのボルドー"と言われ、近年は人気が高い。さらにNorth Fork、South Fork(Hamptons)にわけられる。

Hudson River Region(ハドソンリバー)

ニューヨーク市北部のハドソン川沿いはアメリカ最古のワインリージョン。北米で一番古いワイナリーもあり、観光にも人気。

Finger Lakes Region(フィンガーレイク)

広大なフィンガーレイクを囲むようにしてワイナリーが点在する。さらにSeneca Lakeと、Cayuga Lakeにわけられる。

Lake Erie Region(レイクエリー)

全米一のぶどう産地で、全米一のグレープジュース産地。




ぶどうの品種は、北米原産のアメリカ系ぶどう(Labrusca:ラブラスカ)と、カスピ海、黒海沿岸が原産のヨーロッパ系ぶどう(Vinifera:ヴィニフェラ)に二分される。現在ニューヨークで造られるワインには、交配種(Hybrid)やヴィニフェラ種が多く使われている。

【Vinifera:ヴィニフェラ】
ヴィニフェラは、ボルドーの「メルロー(Merlot)」やドイツの「リースリング(Riesling)」のように、有名なワイン産地で発達し、今は世界に広がっている品種が多い。ニューヨークでも多くのヴィニフェラ種が栽培され、良質のワインとなっている。

【Labrusca:ラブラスカ】
ラブラスカはアメリカ原産の品種で「ナイアガラ(Niagara)」や「デラウェア(Delaware)」「コンコルド(Concord)」などがある。もともとニューヨークのワイン造りを支えてきた存在。今もラブラスカ種だけで造られるワインも販売されていて、力強い風味がある。

【Hybrid:ハイブリッド】
ハイブリッドの多くはフレンチアメリカン種。「シーバル・ブラン(Seyval Blanc)」や「ヴィダル(Vidal)」「バコ・ノワール(Baco Noir)」などがある。



 

●カベルネ・ソーヴィニヨン CABERNET SAUVIGNON
ボルドーの高級ワインで使用される。ニューヨークでも特にロングアイランドで多く栽培され、赤ワイン用ぶどうの王様ともいわれるコクのあるしっかりとした味わい。タンニンと酸が豊富で、長期熟成にともなってフルーツやスパイシーな風味が生まれてくる。

●カベルネ・フラン CABERNET FRANC
フランスのサンテミリオンなどで有名な品種。いきいきとしたフルーツやハーブの風味を出す。ハドソンリバー、フィンガーレイク、ロングアイランドでつくられる。

●メルロー MERLOT
ボルドー地方で広く用いられ、ブレンドでまろやかさと風味を出す。ニューヨークではロングアイランドで多く栽培され、メルローだけでつくられた赤ワインも人気が高い。きめ細かい口当たりで、色には深みがある。

●ピノ・ノワール PINOT NOIR

もともとブルゴーニュ地方の品種で、糖度が高くベルベットのように滑らかで口当たりの良いワインになる。タンニンは低くエレガントな香りがあり、赤ワイン用ぶどうの女王とされる。

 
 

●リースリング RIESLING
酸味と上品な香りに富み、味わいには切れがある。爽やかな辛口から甘口のワインまで、幅広いタイプのワインをうみだす。ドイツが有名だが、世界中で栽培される優良な品種。ニューヨークではフィンガーレイクが有名。

●シャルドネ CHARDONNAY
ブルゴーニュ地方原産の、白ワインやシャンパン用品種。香りと腰の強い豊かなボディがあるが、産地や気候の違いで様々な味わいを持つワインとなる。フィンガーレイクとロングアイランドの主要な品種の一つ。

●ヴィダル VIDAL
ハイブリッド種。フィンガーレイクやカナダなど寒冷地で栽培される。果皮が厚く病気や冷気から果肉を守るため、レイトハーベストワインやアイスワインに用いられることが多い。香りと豊かな甘みがある。

*レイトハーベストワイン Late Harvest Wine
収穫時期を遅らせて枝につけておいたぶどうを使い、ぶどう自体の糖度を上げ、アルコール度数は保ちつつ甘みをしっかりと残す方法。ハドソンバレー、フィンガーレイク、ロングアイランドなどで生産される。
アイスワインはナイアガラなど寒冷地で11月下旬か12月になってから凍ったぶどうを手摘みして造られる、甘くエレガントで濃厚な味わいのデザートワイン。

●ゲヴェルツトラミナー GEWURZTRAMINER
イタリア産(ドイツ原産という説もある)のぶどうで、ゲヴェルツとはドイツ語で薬味や香料の意味。その名のとおり、ハーブや花、マスカットなどのフルーツの香りが出る。豊かな香りと味わいの後にスパイシーな後味が残る。レイトハーベストワインにもよく使われる。

ぶどうは世界中で生産されていて、ワインも世界50カ国以上でつくられ愛飲されている。
気候風土がぶどう栽培に最適であるといわれるフランスは世界一のワイン大国だが、ロングアイランドも、その気候からニューヨークのボルドーと呼ばれる。海や川、湖が近くにあり霧や雨が多い地域は、温度・湿度が調節されて、ぶどう栽培に好条件となるのだ。

ワインは「品種」、「土壌」、「気候」、「醸造」、「熟成」などの条件で品質がきまる。中でも、それぞれ特有の香りと味わいをもたらす決め手となるのはぶどうの品種。それぞれのぶどうの特徴を覚えて、自分の好みの味を見つけてみよう。

 

 



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