iSeeNY.com
アイシーニューヨークロゴ サクセス

MEGU (メグ/モダンジャパニーズ・レストラン)
Food Scope America Inc. 社長
西田 康宏さん
 
■プロフィール
1997年、商社の日商岩井(株)に入社。総合人材サービスのグッドウィルグループ(株)に転職後、関連会社の(株)フードスコープに入社。2003年、フードスコープ・アメリカ社の社長に就任し、翌年MEGUをオープン。


 

 空前絶後の高級和食ブームに沸くニューヨーク。モダン・ジャパニーズの先駆けがNOBUだとしたら、近年の“高級”ブームの火付けは、紛れもなくこのMEGUが重要なカギを握っていると言えるだろう。

先がまったく読めないのが、フードビジネスの怖さ

 平均120ドルという客単価にも関わらず、フードコンシャスなニューヨーカーたちがこぞって訪れるMEGU。同社の海外出店第一号となるこの店を1年前にオープンさせ、現場で指揮を執る西田さんは、胸元のハンカチーフと笑顔が印象的な若手実業家だ。これまでレストラン事業一筋かと思いきや、意外や意外、商社や人材派遣会社という、現在とは全くフィールドの違う経歴を持っていた。

  「フードスコープに入って、まだ3年半です。これまでとは全く畑違いの職種ですが、ビジネスのやり方として大きな違いは感じません。考え方を変えると、スーパーファミコンを資本主義のテレビを使ってプレーするようなものですかね」と西田さん。
 スーパーファミコン? 
「そう。ファミコンはゲームのソフトを替えさえすれば、いろんなゲームができますよね。重要なのはそのファミコンの扱い方をきちんと理解すること。ビジネスも同じで、コンテンツが違ってもやる事は決まっていますから、フード業界に移ったときもそんなに大きな変化は感じなかった。何よりセンスが大事です。」と言う。

 ただし、綱渡りな一面も併せ持つのがフードビジネスだと、彼は付け加える。
「1日1日が戦いです。例えば今日不祥事が起これば、翌日からは商売にならない。この産業はROI(※)が3年かかると言われていますが、オープンして2日目からリスクが伴うのがこのビジネスです。さらにこの業界は競争率が激しく、1年維持するのもたいへんな場所ですからね」。


ニューヨークの評判は、世界中のそれになる
 そんな彼がわざわざニューヨークを選んだのは、やはり深い意味がありそうだ。

「様々なお客様に食べて頂き、そしてお客様自身の口コミで世界中に発信できるところだと踏んだからです。例えば音楽、美術、映画などすべてのエンターテインメントはもとより、ファッション、金融、保険などあらゆる産業で活躍している方たちが、世界中からやって来て、何かを創り、世界中に発信している。MEGUには月間7000人以上のお客様がいらっしゃりますが、気に入ってくだされば、毎月同じ数の方たちが世界中に我々の評判を広めてくださることになります。こんなにすばらしいことはありません」。

勝つための戦略は、「感動・変化・ブランド力」

 さて、今年の11月にはミッドタウンのトランプワールドタワーに2号店の出店も決まり、順を追って全米、アジア、そしてヨーロッパ各地への拡大も進めていく予定だとか。
「NOBUさんは新しい日本食の形を世界中の人に知ってもらう土台を築き上げた勝ち組のブランドですから、NOBUがあるマーケットには、もっと和食の需要と限りない可能性があると思うのです。可能性がある限り、挑戦して行きたい。そしてもっと多くの方に、和食を体感していただきたいですね」と西田さん。

 世界中で和食ブームになればなるほど、ライバルも増えるし、乱立する同業者とのすみ分けも重要になる。ズバリ、MEGUが“勝つ”ための戦略とは何か。
 「感動と変化、そしてブランド力。これに尽きると思います。例えばマンダリン・オリエンタルホテル。あそこに宿泊すると、2度目はウエルカムカードがそっと添えられる。別に大したことではないのですが、消費者としてはやはりその心遣いは嬉しいものです。

 変化とブランド力という意味では、ルイ・ヴィトンを参考にしています。このブランドは、いろんなものとコラボレートして常に新商品を出し、消費者を飽きさせない努力と進化をしている。さらに若干、他のブランドよりデザインも感動的だし、なんといっても高品質。だからルイ・ヴィトンならいいと、安心して消費者は購入する。ブランドは消費者に帰属するもので、安心と信頼がブランド力を更に高めます。ブランド力というのは、そういうものです」。

 日々忙しくしている西田さんがこのようなアイデアを得るのは、やはり人に会って、会話することから生まれることが多いとか。

 「誰か一人の意見というよりは、できるだけ多くの人に会って様々な情報を収集しています。それからやはり仕事のことは常に考えていますね。これも沢山の方がおっしゃることなのですが、考える作業を怠るとビジネス(進化)は衰え、逆に同じ脳でも考える数が多ければ多いほど人は成功するとか。ビジネスで成功された方々は、みなさん口を揃えておっしゃいます」。

新しい文化の発信、ジャパニーズフードを世界へ


 ブームだとは言いつつ、一部ではまだまだ「和食=寿司レストラン」だと思われているのも事実。そしてやはりアジアンは白人社会から見て、依然エスニックの一部なのだと西田さんは言う。

 「だからこそ、イタリアン、フレンチと肩を並べるブランドとして、ジャパニーズフードの素晴らしさをもっともっと広めていきたいのです。同業他店と共にもっとマーケットを広げて新しい文化の発信をし続けたい。そうすることで裾野が広がり山頂が高くなる。我々も高い山頂に到達したいと努力するし、消費者にとっても選択肢が多い方が、生活や、ひいては人生までもが豊かになるでしょうから」。
 


インフォメーション
5月2日からランチがスタート
月曜から金曜の11:30〜14:30

MEGU
62 Thomas St.
New York, NY
Tel:212-964-7777(予約)
▽MEGUのURL
http://www.megunyc.com/
▽フードスコープのURL
http://www.foodscope.co.jp/
 

【2005年5月】



(取材・写真/安部春見 Kasumi Abe)※の写真はMEGUより提供

※ROI(returnon investmentの略)…投資回収率のこと。
投資した資本がどれだけの利益を生んでいるのかを測る際に使われる指標。





【略 歴】
1997年
総合商社の日商岩井(株)に入社。
2000年
総合人材サービスのグッドウィルグループ(株)に転職。
2002年
グッドウィルグループの関連会社(株)フードスコープに入社。
取締役 海外事業本部長に就任。
2003年
フードスコープ・アメリカ社の社長に就任し、
2004年3月、MEGUをオープン。
   
iSeeNY.com
サイトポリシー プライバシーポリシー
  
当サイト掲載の記事、写真、イラスト等の無断転載を禁じます。