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日本人初!STOMPにビン・ビッチ役で出演中
パフォーマー/エンターテイナー
宮本やこ (YAKO) さん
 
□プロフィール

8歳のときに和太鼓に出会って以来、そのビートにのめり込む。大学入学後にタップダンスと出会い、それを極めるために99年ニューヨークへ。渡米6ヵ月後、TAPカンパニー「The Peggy Spina Tap Co.」のメインパフォーマーに合格。00年にパフォーミング・グループ「鼓舞」設立。02年オフブロードウエイ・ミュージカル「STOMP」のメンバーに抜擢される。同舞台では日本人初のパフォーマーとして注目を浴びている。

 
 
「私にとってSTOMPというのは、公演前のストレッチが一切不要なんです」とYAKOさん。「だって子どもが追いかけっこの前に屈伸運動をやらないのと一緒で、STOMPも日常の流れで“ワ〜楽しい!”って暴れているようなものだから」。



 94年にニューヨークに上陸し、ロングランを記録し続けている驚異のオフブロードウェイ・ミュージカル「STOMP」。ここに主役の一人、ビン・ビッチ役として出演している日本人女性がいる。宮本やこ(YAKO)さん。彼女は3年前のオーディションで、約600人の中から抜擢された、STOMP初の日本人パフォーマーだ。

 取材某日、日本公演を約1週間後に控えた彼女は、2年ぶりの里帰り公演を今か今かと待ちきれない様子だった。

「オーディションでは与えられた空間を楽しもうと、ただそれだけ」

「ビン・ビッチを演じているときは怖い顔しているので、こういう顔はイメージではないかもしれませんが(笑)」とYAKOさん。
「人生楽しんだもん勝ちだ、と。もうそれしか考えていなかったです」。 YAKOさんはそう言って、3年前のSTOMPオーディションを振り返った。

 有名ミュージカルのオーディションで何百人もの中から勝ち抜くことが、エンターテインメントの本場ニューヨークでどれだけ困難か、ダンスやパフォーマンスをやったことがない人でも容易に想像できるだろう。実際に使用されているSTOMPシアターで、600人が鎬(しのぎ)を削ったというオーディション。聞いている方がハラハラ・ドキドキする思いだが、当のYAKOさんはケロッとしている。

 「そのときは、まさか自分が受かるなんて夢にも思っていなかったです。それよりも“STOMPのシアターで踊れる!”という嬉しさでいっぱいでした(笑)」。

 オーディション前にありがちな過度の期待や不安、プレッシャーといったものは一切なし。ただ“楽しむ”ということだけ。その驚くべき度胸は、生粋のものなのか。

 「度胸というより、合否なんて自分で決められるわけじゃないから、今与えられたこの空間で楽しむしかないなと思って。よく見せようと思ったり悶々として後で後悔したりするよりは、“楽しんじゃったからいいや!”って言えるぐらい、何かを楽しもうということだけでした。もちろん楽しむためには技術も必要なわけだから、自分が思いっきり楽しめるぐらいにとことん練習はしました」。


「練習で100やれても、本番でそうとは限らない」

「 “これだけやっているのに、なぜ本番で全力が出せないのか”と、相談を受けることがよくありますが、“出そう”とするからダメなんです。本番やっていて思うけど、練習で100やれても本番でできないものなんですよ。ということは“何でできないのだろう?”じゃなくて、1年間毎日の練習でずっと100を出さないと、本番で“出ない”のだという風に考え方を切り替えれば、もっと練習しないといけないということに気付くでしょう。つまり、今のすべてを出してダメだったら、毎日ずっと100が出るようにがんばって練習する。そうやって日々積み重ねていくと、もし今回がダメでも次のタイミングが来たときにチャンスをものにできると思います」。

「実は肉体労働者です!」と語る彼女の手はマメだらけ。「顔の傷も耐えません!昨日の傷は自分でやったので、しょうがないんですけどね」と笑い飛ばす。


和太鼓のビートが、すべての始まり

 さて、今でこそSTOMPのパフォーマーとして有名なYAKOさんだが、彼女には和太鼓奏者とタップダンサーという、さらにもう“二つ”の顔がある。和太鼓との出会いは8歳のとき、小学校の文化交流会に友人と軽い気持ちで参加したことがきっかけだった。

 「うちの家系は音楽やエンターテインメントとはほぼ無縁で、今でも不思議なのですが、初めて低音の“ボワン!”という一発を聴いたとき、“うわッ〜、こりゃ気持ちいい〜!”と。“うち、これ好きやん!”と。それがビートに初めて目覚めた瞬間でした」とYAKOさん。

 高校生になると今度はヒップホップやラップミュージックに目覚めた。和太鼓とヒップホップ、一見全く別物に感じるが、YAKOさんの中では繋がりがあるという。

 「和太鼓の低音の“ボワン”というビートと、ヒップホップの“グッ、グッ、バッッツ!”みたいなビートは、うちの中ではビート繋がりですごく似ているんですよ。あの音質であれぐらいファンキーなリズムを聴くと、“あ〜!きた〜ッ”みたいな(笑)。本当に好きな音って気持ちがいいものですよ」。


その後、慶應大学に進学したYAKOさん。勉強したいというよりも、親の希望を叶えてあげたいという一心での入学だった。

 「でも入学式で見つけたのはヒップホップ・サークル(笑)。即加入して、それからはダンス漬けでした。ダンスできるのが最高に気持ち良くて、何かできないテクニックがあるとできるまでとことん練習していましたよ。もう楽しくてしょうがなかった! 専攻が理工学だったので、物理実験をしながら踊ったり(笑)」。

そんな大学生活を送っていたある日、彼女のもとにミュージカル出演の話が舞い込んだ。

 

 



パーカッションとムーブメントを融合した、ロングランのオフブロードウェイ・ミュージカル。1週間に8公演を8年間休みなく完売し続けている。

(会場)126 Second Avenue
(問)212-307-4100

 

 

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