何事も好きになって一生懸命になれるかどうかがカギ。
「だいたい挫折というものは、途中で不幸せになった場合にそうなることが多いんですよ。幸せ、不幸せで言うと、例えば人間の体も絶対ガンなんかなりたくないって思うのなら、何かにまたは誰かに強い愛情を持つことです。強く愛し合って幸せを感じることが大切なんですよ。女性も一生懸命恋をしたり、妊娠すればガンなんてならない。だって子どもを生み育てるために自然が防御してくれるのだから」。
「仕事もね、どの世界も同じだけど、とにかく自分がやりたいと思うことを“好き”になるっていうことが大切。たくさん愛情を持って取り組む、そうするとモチベーションが上がって一生懸命になります。成功するのは間違いないですよ。私も開院したときはたいへんだったけど辞めたいと思ったことはこれまで一度もなかった。ただ単に患者診てポリープ切ってというスタンスではなく、私は医者として病気にならない生き方を探り当てようと、そして皆さんに健康で幸せになってほしいと思ってきたから、その欲望がずっとまだ仕事を続けようという原動力になっています」。
このような長年の功績が認められ、今年の10月にはニューヨークアジア諮問委員会で、地域貢献賞17人のうちの「医師栄誉賞」を受賞した新谷。医学界での世界的な発明はもとより、何十年にもわたってミスのない確実な診療、70歳過ぎた今でも現役で現場に立ち、年間1万人の診療・治療や600万人の救命をしていることなど様々な実績が認められたという何よりの証拠であるだろう。加えて自分に置き換えた場合、彼のように40年後も今と同じ仕事が好きでたまらないと言えるだろうか。医学のノーベル賞、または医学界にゴールドメダルがあるとすれば、ドクター新谷はそのような賞を授与されるに値する世界的名医であることは間違いない。
※文中敬称略
【2006年11月】
(取材・写真/安部かすみ Kasumi Abe)
|