NYの音楽の殿堂であり、世界的にプレステージの高い「カーネギーホール」や、世界を動かす「国連」での花装飾、米国最大の百貨店「メイシーズ・フラワーショー」での出展.....。そんな、フラワー・デザイナーにとっては憧れの大舞台の花装飾を手掛けているのが、竹中健次氏。ダイナミックな色使いで、アートのような花装飾をつむぎ出す「花のカラーのマジシャン」としても知られている。彼のNYミッドタウンにあるオフィス&スクールを訪ねた。扉を開けた瞬間、甘い花の香りが流れてくる。幸せに満ちた別世界に導かれていくようだ。一つ一つの言葉を丁寧に選び、ゆっくりと受け応えをしてくれる柔らかい物腰の竹中氏。同じ空間にいるだけで癒されてくるような、そんな不思議なオーラを放っている。
白い花束がキャリアの出発点

「職場の歓迎会で、スタッフの人から頂いた花束。これが、『花でキャリアを追及しよう』と決めたきっかけでした。シンプルな白いチューリップの花束だったんですが、すごく格好よかった。男の人が花束をもらうことはあまりないですよね。その美しさに素直に感銘して、こんな風に、人に感動を与えられる仕事ができるのは素敵だな、と思いました」
実家が花と造園の事業を経営していたが、特に、学生時代から、この業界へ強い思い入れがあったわけではなかった。しかし、花事業に情熱を傾ける父の姿を見ながら育った彼には、自然美やアートへの人一倍繊細な感性があったことは言うまでもない。自分の五感を表現するツールとして花を選んだのは、必然の流れだったといえよう。