
94年にニューヨークに上陸し、ロングランを記録し続けている驚異のオフブロードウェイ・ミュージカル 「STOMP」。ここに主役の一人、ビン・ビッチ役として出演している日本人女性がいる。宮本やこ(YAKO)さん。彼女は3年前のオーディションで、約 600人の中から抜擢された、STOMP初の日本人パフォーマーだ。
取材某日、日本公演を約1週間後に控えた彼女は、2年ぶりの里帰り公演を今か今かと待ちきれない様子だった。
「オーディションでは 「人生楽しんだもん勝ちだ、と。もうそれしか考えていなかったです」。 YAKOさんはそう言って、3年前のSTOMPオーディションを振り返った。
有名ミュージカルのオーディションで何百人もの中から勝ち抜くことが、エンターテインメントの本場ニューヨークでどれだけ困難か、ダンスやパフォーマンスをやったことがない人でも容易に想像できるだろう。実際に使用されているSTOMPシアターで、600人が鎬(しのぎ)を削ったというオーディション。 聞いている方がハラハラ・ドキドキする思いだが、当のYAKOさんはケロッとしている。
「そのときは、まさか自分が受かるなんて夢にも思っていなかったです。それよりも“STOMPのシアターで踊れる!”という嬉しさでいっぱいでした(笑)」。
オーディション前にありがちな過度の期待や不安、プレッシャーといったものは一切なし。ただ“楽しむ”ということだけ。その驚くべき度胸は、生粋のものなのか。
「度胸というより、合否なんて自分で決められるわけじゃないから、今与えられたこの空間で楽しむしかない なと思って。よく見せようと思ったり悶々として後で後悔したりするよりは、“楽しんじゃったからいいや!”って言えるぐらい、何かを楽しもうということだ けでした。もちろん楽しむためには技術も必要なわけだから、自分が思いっきり楽しめるぐらいにとことん練習はしました」。
| 8歳のとき和太鼓に出会い、その2年後にはニュージーランドの親善大使として、ニュージーランドとオーストラリアで和太鼓を演奏。慶応大学理工学部在学中にJADEのメンバーとしてヒップホップを始め、多数のミュージカルにも出演するようになる。「Musical中尾ミエ」で本間憲氏に見出され、初めてタップダンスに出会う。 | |
| 1999年 | 渡米し、NYU(ニューヨーク大学)ミュージカル科入学。 同年、TAPカンパニー「The Peggy Spina TAP Co.」のメインパフォーマーとして抜擢される。 |
| 2000年 | パフォーミング・アーツ・グループ「鼓舞」を設立。 |
| 2002年 | オフブロードウェイ・ミュージカル「STOMP」のメンバーに合格。以後、主役の一人ビン・ビッチ役として活躍。鼓舞やThe Peggy Spina TAP Co.などでも活躍中。 |